雑誌やテレビなどで度々取り上げられ、いまやあまりにも有名な武雄の「
10円まんじゅう」は、昭和28年豆腐店「園田商店」の園田さんご夫婦によって、1個5円のまんじゅうとして生まれました。以来今年6月まで、夫婦二人三脚で毎日深夜1時から仕事を始め、1日約1500個を作ってこられました。昭和40年代に1個10円になり、その後、三笠宮殿下の武雄ご訪問の折に、お茶菓子として出されることになりました。当時は「馬ん糞まんじゅう」(園田さん談!)などと呼ばれてましたが、宮様にご説明するのにさすがにその名前では・・・と、市職員が「10円まんじゅう」と名付けたのだそうです。「そいけん、値段ば上げられんごとなったとよ」と園田さんは笑われます。しかし、長年10円という値段にこだわって作ってこられたことには、本当に頭のさがる思いです。園田さんの「十円まんじゅう」をお目当てに、わざわざ武雄に来られる方も多く、午前中にはほぼ完売していました。しかし本当に残念なことですが、この度
「十円まんじゅう」の製造を終了されることになりました。「同じように作りよっても、時計はウソつかんけんね」といわれますが、園田さんは83歳とは思えないほどお元気ですし、何個食べても飽きないおいしいさに変わりはなく、がっかりされる方も多いと思います。けれども、消え去ることのない皆様の味覚の記憶の1ページに、園田さんの「
10円まんじゅう」がしっかり刻みこまれることを願いつつ、「ながい間ありがとうございました。」