1929年佐賀市生まれの著者が過ごした佐賀でのくらしを、父や周囲の人々の思い出とともに綴った36篇。この本の表紙・挿絵は、当館にも多数作品を展示していただいている武雄市在住の染色作家
緒方義彦さんが描かれました。
情景が眼に浮かぶような文章と、素敵な挿絵にぐいぐい引き込まれ、一気に読みました。
何気ない日々のなかにあるすべてのコトに意味があり、私たちのまわりには目に見えない大きなやさしさがあふれている。そんなことを気づかせてくれる1冊です。
文中の会話文はすべて、作家のこだわりでもある佐賀の方言で、情感豊かに書かれています。方言特有の難しい言い回しもありますが、こまかい語句にとらわれず、さっくり読みすすめていくと意味がわかってくるから不思議です。
「にゃーごとあろう」父の後ろ姿 【 1800円 /
出門堂 】